BLゲーム レビュー 咎狗の血

++ BLゲームレビュー【咎狗の血】をせこせこ綴る ++

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BLゲームレビュー【咎狗の血】 ■
  
ゲームタイトル 咎狗の血 咎狗の血 通常版
咎狗の血 通常版
発売日・定価 2005年2月25日発売  8,190円(税込)7,800円(税抜)
メーカー
ジャンル True blood ADV
対応機種・動作環境 日本語版 Windows98SE/Me/2000/XP
年齢制限 18禁
ボイス
アキラ (先割れスプーン) キリヲ (富士爆発)
シキ (緑川光) グンジ (杉崎和哉)
ケイスケ (何武者 エマ (奥田香織)
リン (鬼龍院隼人) グエン (滑川菊太郎)
源泉 (一条和矢) (小池竹蔵)
アルビトロ (菱勝) ??? .(Prof.紫龍)
内容  終戦から数年、犯罪組織「ヴィスキオ」に乗っ取られ、退廃した街「トシマ」では、組織の王座を巡る命がけのバトルゲーム「イグラ」が開催されていた。無実の罪を着せられた主人公・アキラは、無罪放免の交換条件に、「イグラ」に参加して「ヴィスキオ」の王を倒し、組織を殲滅させるよう迫られる。
 無法の街へと乗り込むアキラと、彼を巡る人間模様。欲望、恐怖、裏切り、そして愛・・・様々な激情と真実の交差が、アキラの運命を変えていく。
(メーカーHPより) 
総評 ★★★★★
 面白いです。
 でもヤルかヤラれるかで、終始気を張ってるのが辛かった…(汗)
* ゲーム語り *
 とにかくシナリオのボリュームと、今までにないBLゲームの新規開拓ジャンルという部分で、メーカー一発目としては大成功の作品だと思います。
 
 設定の重さと、壮大な世界観、運命に翻弄されていく主人公と、その周囲の人間の動きに、時間を忘れて惹きまれていきます。
 選択肢が少ないと聞いていたので、ノベル色が強い一本道ゲームなのかと思いきや、いえいえ滅相もございませんでした!(何者)
 一部の設定がゲーム内で十二分に説明されておらず、公式サイトでの確認が必要であったりとか、
主人公の性格が序盤と後半では全く違うという、少しの難点はあるものの、グラフィックも美麗ですし、シナリオもBLでは異色のアングラ的雰囲気で、深く掘り下げられています。
 文章の書き方や表現の仕方もゲームには良く合っていて、違和感なく最初から最後まで読み進めることが出来ました。簡潔でポイントを上手く抑えているので、すんなり頭に入ってくる感じです。
 妙にこなれているというのか、ライトノベルのような表現で、ストレスはあまり感じません。
 私はかなり好きな文体かも…。
 あんまり懲りすぎたり、重厚にし過ぎて逆に意図が読み取りづらいライターさんってたまにいますけど、咎狗は良かったですね♪客観視の文体が作風にとても合ってましたし。
 
 前述したとおり、アンダーグラウンド的風味が非常に強いです。暴力・出血・狂気・憎悪・嫉妬・偏愛・薬漬け・臓物…などなど、明らかに性描写抜きでも18禁指定になるゲームですので、プレイにはそれなりの覚悟が必要かもしれません。
 少し暇があるからといって、時間潰しに手軽に楽しもうというのには、まず不向きです。
 そして、BLがとにかく好きで、男同士の恋愛を手軽に楽しみたい方にもおススメできません。
 
 色々と癖がある作品なので、人によっては、はじめは取っつきにくさを顕著に感じるかもしれませんが、そこを乗り越えれば、本当に超大作と言っていい程の、インパクトが強く、難点の少ないゲームですので、
一概に、こういう人に合うとか合わないとか、そういう括りは出来ないかもしれません。
 
 実は私も入手してから、実際にプレイし始めるまで、かなりの時間を要しました…。
 プレイしたの、発売してから一年以上経ってますからね(笑)
 結局、やったのって他にするゲームが無かったからという、なんともメーカー様にもファンの方にも不躾な理由だったりします…すいません。
 というのも、今まであまり関わったことのない雰囲気のゲームだったので、正直、最後までついて行けるか不安でして…加えて絵が…!!!
 ジャケット絵って結構怖くありません?そういう作風だから仕方ないんですが、公式HPもなんだか怖いですし…完璧、尻込みしてました。
 
 でも、良い意味で期待を裏切ってくれましたし、食わず嫌いは良くないなぁ…と、改めて認識。
 一旦入っちゃえば、適度に感覚はマヒしてくれますし(笑)、シナリオがいいんです。設定もいいんです。
 キャラの個性も立ってますし、一度始めると、いくら眠くてもEDまで迎えないといけない!という、妙なやる気すら生まれて来て(笑)
 思うに、話運び・ドラマ性・物語の起承転結がしっかりしているので、マンネリしそうな中盤でも、決してプレイヤーを飽きさせないことが、ついつい一気に駆け抜けちゃう要因なのかなと。
 
 そして、この作品の突出している部分といえば、やはり音楽です。
 デモムービーも勢いがあってカッコいいですし、ヘビメタ的な音楽が作品を盛り上げている感じです。
 割とBGMのバリエーションも豊富で、ムーディーなものから戦闘時の激しいものまで、音楽だけでも楽しめます。
 
 システム面については、使い勝手の悪い部分があります…結構。
 右クリックで操作無効に出来ないのがツラかったです。タイムラグでした。せめて自動追尾機能を…。あとは、メッセージウィンドウにワンクリックセーブ・ロード・バックログ・スキップ・オートモードがついてないのは痛かったです。
 最低限の機能を手軽に使えないのは、ストレスかかります。
 システムの使い勝手については、他の部分が良いだけに本当に残念。
 
 グラフィック・CG・背景については、とにかく素晴らしいの一言。ニトロさんの地盤があるためか、非常に美麗で、不満は本当にありません。
 たま〜に、筋肉のつき方がおかしいかな?と思う部分があるくらいで、構図や塗りはとっても綺麗です。
 絵柄の怖さが一番のネックだっただけに、まさかまさかの好印象で(笑)
 色彩っていうか、光源も効果的に使っているので、淡い印象を持つものや、とにかく暗いイメージだけど力強いものまで、絵師さんの本領発揮というCGばかりで、とても目の保養になります☆
 
 声優陣は偽名ばかりですが、かなりの豪華さです。作風がアレなので、高い声や叫び声、怒号などが多いので、声優さんはさぞかし苦労されたことでしょうが、みなさんとってもキャラに合ってましたし、何よりお上手なので安心して聞いていられます。
 声優好きの方にも楽しめるゲームですよね〜。ケイスケがかなりおススメです。表と裏の使い分けがとにかく凄くて!!
 
 ストーリーはタイトルどおり「血」がキーワードになっていますが、攻略対象によって、終盤の流れが微妙に違ってくるのは面白かった。
 ケイスケは結局、ケイスケルートでしか元通りにならないので残念なところ。また、キャラルートに入ると、それまでの他の攻略対象がまったく出てこないのも妙な感じがしました。
 「結局、あの人は脱出出来たのかなあ…」と思い返してみたり(笑)
 最終的に、主人公と相手しか脱出出来ない流れになるので(例外のキャラもいますが…)
 
 あと、あんまり主人公が際立っていなかったのが意外でした。
 ブラスターのチャンピオンという猛者の肩書きで颯爽と登場しますが、いざトシマに入ると、それほど強いとは感じられませんし、戦い挑まれても苦戦することが多い…主人公、弱い?と思うこともしばしば(笑)
 また精神的な面にしても、周りに流されて自主性が欠けている印象が否めません。
 運命に翻弄されて、変わるべくして変わって行くという感じかな…そこに自分で選んだ意思が、あまり感じられませんでしたね。
 唯一、nルートのみ、主人公は自分の意思をちゃんと主張して、周りを変えていってたような気がします。
 だからなんでしょうか。守られてるお姫様、という表現がしっくり来るんですよね。
 決して弱くはないんですが…最終的に、結構庇われている率が高い(笑)
 
 キャラは、とにかく綺麗目の男しか出てこないので、ある意味ちょっぴり耽美なのかも…。
 それと、恋愛を楽しみたい!と思って始めると、かなり戸惑うのではないかと…。マトモに恋愛しているルートは稀ですので、甘い恋愛を期待してると度肝抜かれます(笑)
 恋愛以外の事件が主軸になっていくので、恋愛は+αのおまけ程度に考えたほうがいいかもしれません。
 
 ともあれ、プレイして絶対損はないゲームですので、多少のアングラ雰囲気でも平気で、辛抱強く文章を読める方にはおすすめです。確か、初回だと8〜9時間かかります。
 導入部分も長いですし、キャラルートに入ってからも長いので、読み応えがあります。
 
2006.05
 
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